塾生の小学生が作成した自分の「ゲーム紹介シート」の画像

大阪西区・京都桂川のプログラミング教室
ITえき塾 塾長の一階(いっかい)です。

お母様方の質問に答えるシリーズで、
「ゲームを作ってるのと、ゲームを遊んでいるのと、何が違うんですか?」
というご質問にお答えしてまいります。

当プログラミング教室でも、
教材として「ゲーム作り」を
メインにしています。
お母様からしたら、
ごもっともな疑問でしょう。

一度で書ききれないので、
少しずつ、書き出していってます。
「いったい、いつまで続くの?」
と感じた方もいらっしゃるでしょうが、(苦笑)
もう少しお付き合い願います。

過去の投稿はこちら。
ゲームを「遊ぶ」と「作る」で何が違う?(1) 主体性
ゲームを「遊ぶ」と「作る」で何が違う?(2) 創造力
ゲームを「遊ぶ」と「作る」で何が違う?(3) 問題解決力
ゲームを「遊ぶ」と「作る」で何が違う?(4) 実行力

自分の世界を表現する

5回目の今回、ご紹介するのは
「表現力」。
ゲームは「総合芸術」と
呼ばれるようにもなってきました。
絵や音楽や世界観など、
様々な要素を総合的に組み合わせて、
「面白さ」「爽快さ」「喜び」「悲しみ」などを
演出します。
それのみならず、子どもたちにとっては、
「言葉による表現力」(国語力)
を身に付ける、格好の題材でもあるのです。

詳しく紹介していきましょう。
このシリーズの2回目、
ゲームを「遊ぶ」と「作る」で何が違う?(2) 創造力
でもご紹介してきました通り、
ゲームはたくさんの要素で組みあがっています。
キャラクターや背景の画像、
BGMや効果音などの音。

昔の本当に初期のゲームは、
グラフィカルなものではなく、
文字を使って作られていました。
アルファベットを組み合わせて
宇宙船を作ったり、
弾には「-」の文字が使われて
飛んで行ったり。

それが今は、本当にリアルな
画像が使われていますよね。
野球ゲームやサッカーゲームなどは、
テレビの中継を見ているのかと、
錯覚してしまうほどの出来栄えです。

ゲームの面白さの本質は、
「ゲームのメカニズム」にあります。
ルールやバランスの部分ですね。
だからと言って、
「見栄え(グラフィック)」が
何でもいい、というわけではありません。
そのゲームの面白さにのめり込むために、
必要不可欠なものなのです。

もちろん、子どもたちがすぐに
高度なイラストを描けるようになる
訳ではありません。
それでも、フリーで使えるイラストを探したり、
なければ、簡単な図形を組み合わせて
表現してみたり。
自分のできるレベルで、
「いかに、自分のゲームを面白くするか?」
に挑戦します。

昔の文字を組み合わせたゲームだって、
当時はのめり込んで遊んだものです。
その時代や、使える技術の中で、
工夫を凝らす。
今の高度な3D CG
(3次元コンピュータ・グラフィックス)も、
そうした工夫の中で生まれ出し、
進化してきたものとも言えるでしょう。

音楽もしかり。
これだけPCを使った音楽も
浸透してきて、
作曲も音声合成も、
誰もがチャレンジできる
世界になってきました。
BGMや効果音、
凝ろうと思えばいくらでも、
挑戦することが可能です。
もちろん、ゲーム用の
フリーの音源も多数公開されています。

ゲームのシーンが切り替わった時に
がらりと違った雰囲気を
演出できるのが音楽。
画像と同じく、子どもたちは、
あーでもない、こーでもない、
と、自分のゲームのイメージに
合ったものを探し出し、
組み合わせていきます。
イメージとぴったり合うものが
見つからないことも多いのですが、
いかに割り切るかも大切です。

ジャンプの効果音や、
やられた時の効果音をいれたり、
爆発を膨らませてみたり、
回転も入れてみたり…。
エフェクト(効果)といのですが、
こうしたちょっとした工夫をするだけで、
見違えるくらい、ゲームが盛り上がって
楽しいものとなります。
作った経験が豊富な子ほど、
いろいろ工夫していきますね。

こうした膨大な要素が積み重なって、
「1つの自分だけの作品」
ができあがるのです。

年齢に関係ない創作・表現力

「総合芸術」とまで書くと、
「そんな、子どもに大げさな…」
と感じる方もいらっしゃるでしょうね。
もちろん、上を見ればきりがない
ですが、子どもたちは子どもたちなりに、
有意義な体験をします。

分かりやすい事例として、
我が家の娘の場合。
5歳のころから
「Scratch Jr」(スクラッチ・ジュニア)
というタブレット上で動く
プログラミング言語を触っています。
当プログラミング教室の、
ジュニアコースでも使っているものですね。
娘は、これでゲームや物語を作るのが大好き。

もともと、絵を描くのが大好きで、
簡単な物語を書いてみたり、
紙芝居を作ってみたり。
そうした彼女の日常の活動の中に、
「プログラミング」があります。

描いた絵が動く、
自分の声でセリフを吹き込める、
撮った写真を組み組む、
なんてことができますから、
通常のお絵かきよりも幅が広いんですよね。
だからと言ってお絵かきをしなくなる、
なんてわけではなく。
楽しいポイントが違うようで、
いろいろ遊び分けています。

自分が前に作った作品を
遊んだり、観なおしたりすることも
しばしば。
登場キャラクターの声や
自分のナレーションの声を
吹き込みなおしたり、
キャラクターの絵や動きを変えてみたり
なんてことも、良くしています。
後から見直すと、
分かりにくい部分があったり、
より良い表現方法が見つかったり
するんでしょうね。

脚本家であり、監督であり、演出家。
それに役者であり…。
もちろん、大げさにした表現ではありますが、
やっていることは、
そういうことですよね。
相当かわいらしい演出家さんですが。(笑)

実は磨かれる、国語力

ゲームの設定も大切ですね。
背景設定、ストーリー、エピソード…。
ゲームを盛り上げるには、
これも必要不可欠なものです。

大阪と京都の教室で、
最初に子どもたちとゲーム作りを
始めたときに驚いたのは、
みんな「文章を書くのが苦手」
ということです。
いや、苦手、というより、
文章を書いた経験が、
「極めて少ない」
というのがより正確な表現でしょう。
もう最初は全然手が動かない状態で…。

でも、いろいろ作り始めたり、
上手く書けたこの文章を見たり
しているうちに変わっていきました。
経験値も上がるし、
きっと日常での見方も
変わっているのだと思います。

当プログラミング教室では、
大阪と京都の教室を合わせて、
作成した作品のコンテストを
教室内でします。
その時に「ゲーム紹介シート」の
評価部門もあります。

「ゲーム紹介シート」というのは、
自分の作ったゲームの説明や、
苦労したところなどの紹介をする、
A4サイズ1枚のシートです。
ゲームを作るときには、
必ずこのシートも作成します。
ストーリーや、操作方法、
登場キャラクターの説明、
工夫・苦労したポイント、などなど。
使用した素材の謝辞を入れる子もいます。

今回の投稿のトップにあるのが、
塾生さんの作品例ですね。
ワープロソフトを使って作りますが、
ゲーム画面のスクリーンショットも撮って、
伝わるように、楽しんでもらえるように、
工夫しています。
学校の授業でも、教材用のデータで、
ワープロソフトなどを使うこともあるでしょうが、
自分が精魂と時間を込めて作った作品を
伝えるモノづくりをするのは、
子どもたちのモチベーションも、
伝えようとする奥行きも、
違ってきますね。

中には、漢字や助詞などが怪しい子も
いてるのですが、不思議なことに、
こうした授業をたまに受けているだけで、
劇的な成長が見られることがままあるのが、
面白いところです。

ストーリーだけでなく、
自分が「作りたい!」と
思いついた動きができない時など、
それを言葉にして相談することが
必要不可欠です。
プログラミングは、
「今、ないものを、作り上げる」
ことです。
「ないもの」を言葉でどう伝えるのか?
それは、子どもたちの文章力を
確実に鍛えます。

国語力・表現力は「相手を思う力」

表現力は、
ゲームを「遊ぶ」と「作る」で、
大きな違いが出る、代表格であると、
私は考えます。

「遊ぶ」ほうでは、生まれる会話は、
攻略法であったり、自分の自慢話であったり。
もう、いろんな前提条件を省略して、
自分の話したいことを話す、
ということになりますからね。

「コンピュータばっかり触っていたら
コミュニケーションのとれない人間に
なってしまうのでは?」
と心配されるお母さんも
たくさんいらっしゃいます。
でも、今回ご紹介した
チャレンジを繰り返していて、
コミュニケーション、とれない人間に
育つでしょうか?

今回ご紹介したことには、
いずれも共通点があります。
それは、
「相手の立場に立つ」
ということ。

遊び手側や、相談する側に立って、
どうやったら「伝わる」のか?
どうやったら、楽しく遊んでもらえるのか?
それを考えることが、
一番の土台となります。
良かれと工夫したことが、
うまく働かない経験も
たくさんします。
それを繰り返して、
強靭な土台ができあがっていきます。

その土台の上に、
「表現技術」が積み上げられます。
「伝えよう」とする気持ちがあるから、
「表現技術」も磨かれるわけですね。

子どもたちの表現力、
相手を思う、おもてなしの心とともに、
大阪と京都で磨き続けてまいります。

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