Scratchでシューティングゲームを作っている中学生の男の子

大阪西区・京都桂川のプログラミング教室
ITえき塾 塾長の一階(いっかい)です。

お母様方の質問に答えるシリーズで、
「ゲームを作ってるのと、ゲームを遊んでいるのと、何が違うんですか?」
というご質問にお答えしてまいります。

当プログラミング教室でも、
教材として「ゲーム作り」を
メインにしています。
お母様からしたら、
ごもっともな疑問でしょう。

一度で書ききれないので、
少しずつ、書き出していってます。
過去の投稿はこちら。

ゲームを「遊ぶ」と「作る」で何が違う?(1) 主体性
ゲームを「遊ぶ」と「作る」で何が違う?(2) 創造力

都合よく使われる「問題解決力」

シリーズ3回目で取り上げるのは
「問題解決力」
です。

「ゲームを作る」には、
膨大な作業が必要であることを
前回の投稿、
ゲームを「遊ぶ」と「作る」で何が違う?(2) 創造力
でご紹介しました。
それだけのものを作るためには
様々な問題、トラブルが発生します。
それを乗り越えて、
完成させる必要がある。
だから「問題解決力」が
育まれる、というわけです。

ただ、この「問題解決力」という
言葉が結構曲者(くせもの)で…。
「ゆとり学習」のときに、
「問題解決力で考える力を!」
と言われていました。
「脱!詰め込み教育」で、
考える力をつけていかなければ、
という論旨です。

でもこの「問題解決力」、
言葉のイメージからは、
「なんでも問題を解決できちゃう!」
というオールマイティの、
スーパー能力のように読めちゃいます。
が、実際それをするためには、
行動力だったり、
調整力だったり、
アピール力だったり、
それこそいろんなものが必要となるので…。

私なりに解釈すると、
こうした「問題解決力」は、
「論理的思考力」
のことを指していると思われます。
物事を整理して、
筋道を立てて、
組み立てる能力です。

2020年より、小学校で
プログラミング教育が義務教育化
されますが、そこでも、
中心となる「4C」の1つとして、
クリティカル・シンキング(論理的思考力、問題解決力)
が挙げられています。
この「クリティカル・シンキング」の
日本語訳からも、
「問題解決力と論理的思考力が同じもの」
を指しているであろうことが読み取れますね。
※詳しくはこちらで
なぜ小学生からプログラミング教育が必要なのか?【前編】

論理的思考力(問題解決力)で構造的にとらえる

「ゲームを作る」上で、
たくさんの部品を作っていく
必要があることを前述しました。
「ゲームの全体を面白くするために」
どんな部品が必要なのかを、
前もって考えていかねばなりません。
まだゲームができあがってないうちから、
これをしていかないと、途中で
「何を作るんだっけ?」
「えっ、これじゃできない!どうしよう?」
となるわけです。

思いついた「面白さのアイディア」を、
要素分解して、部品に分けていく。
いくつかの部品を合わせてて、
1つの部品ができあがることもあります。
重複なく、漏れなく部品を分けられるのか、
部品同士の関係がどうなっているのか、
等を、作り出す前に、自分で整理・構築するわけです。

また、それぞれの部品を、
自分が持っている技術で作ることができるか、
持っていないなら、それを身につけられるのか、
を吟味してやる必要もあります。
そのためには予備調査も必要です。
かかる時間も見積もらねばなりません。

もちろんこうした力は、
一朝一夕には身につきません。
小さい問題から、大きな問題まで、
成功した経験も、失敗した経験も合わせて、
少しずつ成長していきます。

私は授業の中で「先読み力」という言葉を
良く使います。
まだ出てきていないものを作り上げるときに、
どんなものが必要か、
どんなトラブルが起こるか、
どれだけ遊ぶ人に楽しんでもらうか、
逆に遊ぶ人から見て分かりにくいことはないか…。
すべて、将来に起こることを、
起こる前に対策することが必要になってきます。

プログラムは、一度実行してからは、
入出力をすることはあっても、
作った人は手出しできません。
その前提で、エラーや不具合が生じないよう、
その対策をすべてプログラムの中に準備して
やらねばなりません。
ある意味、プログラミングは、
こうした先読みをしつつ、
論理的に構造化して考えることに
適した教材と言えるでしょう。

「ゲームを遊ぶ」ことと比べて、
「ゲームを作る」においては、
「問題解決力(論理的思考力)」
の育まれ方が別次元であることが
ご理解いただけるかと思います。

アクションゲームや
ロールプレイングゲームを
クリアするために、
「問題解決力」が求められることも
時にはあるでしょう。
しかし、ここまで構造的に解析的に
行っていないのは明らかです。

当プログラミング教室では、
大阪・肥後橋教室の子どもたちも、
京都・桂川教室の子どもたちも、
この問題解決力が必要とされる課題に、
繰り返し、繰り返し、挑んでいます。

論理的思考力の神髄

実はこの「論理的思考力」は、
当プログラミング教室の強みの一つでもあります。

私自身が、大学の教員時代から、
「ロジカル・シンキング(論理的思考力)」
「ロジカル・ライティング(論理的文章力)」
の授業も担当してきました。
現在も、企業様の上記の研修の
お仕事を頂戴しています。
理論やツールの知識的な紹介をするのではなく、
業務に通じる、実践的な習慣づくりを
サポートしています。

論理的思考力は、
モノづくりや文章作り、
戦略や構想づくりでも
力を発揮し、企業でも、
その効力や必要性を
感じてくださっています。

実は日本人は論理的思考が苦手です。
むしろ日本人は「察しの文化」。
島国の単一民族であることから、
共有している背景を前提に、
「全てを言わないところが美しい」
と感じるところもあります。
日本語自体が、論理の枠と
離れた構造をしている部分すら
存在します。

それでも現在の日本は、
海外の企業やお客様と仕事をするために、
そして国内でも、
異業種や風土が違う他の会社と
協働するために、
論理的思考力・伝達力は、
必要不可欠なものとなってきているわけです。

構造的に物事を整理して
的確に伝える欧米の文化と、
人とのつながりを大切にして
「察して伝える」日本の文化を
状況によって使い分けることで、
日本でも世界でも活躍できる
人材に育ててまいります!

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