Scratch-Jrをタブレットでしている幼稚園の女の子大阪西区・京都桂川のプログラミング教室
ITえき塾 塾長の一階(いっかい)です。

プログラミング教室をやっておりますと、
体験授業を子どもさんがお受けになったら、
まず100%「これやりたい!」と
おっしゃいます。

お悩みになるのはお母さんの方。
「曜日が…」や
「受験が…」や
「いろいろ事情が…」
となりまして、
最後には次の質問にたどり着くわけです。

「何歳くらいから
プログラミングを勉強させ始めると
いいんでしょう?」
「いつからなら間に合いますか?」

これ、すんごい難しい問題です(苦笑)。
私もうかつな答えができない問いなので、
まず世界ではどうなっているかから、
押さえていきます。

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世界の小学生はプログラムを勉強しているか?

何歳から子どもにプログラミングを学ばせるのか?
いつからプログラミングをはじめるのか?

最初にお断りしておきますが(笑)、
本来、私は「なんでも世界に前に習え!」
という風習には、違和感を持つタイプです。
だって、日本独自の良さもありますからね。
それを捨てて、世界に盲従しても、
日本人は勝負にならないと思っています。
ただ、なにぶんここ数年、日本は社会的に
IT分野では後手後手に回っているので、
この分野では比較の対象として
ふさわしいとも思えません。
ということで、まずは海外の代表として、
イギリスの例を紹介します。

イギリスでは「コンピューティング」
という科目が初等教育(5~11歳)で
義務教育化されています。
週に1時間の必修科目で、
「世の中を理解し変革する力をつけ、
将来のデジタル世界の積極的な担い手になること」
を目指しています。

がっつりプログラミングも入っていますし、
「情報技術」「コンピュータサイエンス」
といった、大学で情報系のカリキュラムを
みてきた人間にとっては、
「本格的」なラインナップです。
もっとも、学ぶ内容は、
年齢に応じて理解できるように噛み砕いて、
PCを使ったり使わなかったりで、
工夫されているようです。

この「コンピューティング」が
導入されたのは2015年。2年前ですね。
それ以前も、1995年から20年間、
「IT」という科目が導入されましたが、
それでは不十分ということで、
改定されてボリュームアップしたそうです。
イギリスも模索中のようですが、現状では、
「イギリスに必要な人材に育てるには、
これくらいの内容に増やさなければ」
という考えのようですね。

イギリス以外でも、
フランス、
フィンランド、
ハンガリー、
エストニアなどなどで、
プログラミング・ITに関する教育が
初等教育から義務教育化されています。

ちなみにアメリカでは、
州や学校によって様々だそうです。
必修ではなく、選択科目が多いようです。
プログラミング教育を推進するNPO法人など、
学校以外で、国全体で
プログラミング・IT教育を推進している
というイメージですね。
オバマ前大統領が、
「プログラミングはオプションではなく、
基本的なスキル」
と、5000億円を投資し、
プログラミング教育の重要性・必要性を
訴えた動画を発表したりもしましたね。

じゃぁ、こうした試みが、
「良かったのか?悪かったのか?」
というと…。
分かりません(苦笑)。
なにせ導入されているのが最近。
こうしてプログラミングの勉強をした
子どもさんたちが大人にもなっていないので、
この効用を確認しようがないわけです。
言い換えれば
「世界的にプログラミング教育の
実験を行っている」
状態ではないでしょうか?

IT「で」学ぶ時代へ

逆に、日本の教育事情を見てみましょう。

小学校高学年になると「中学受験」
中学に入ると「高校受験」
高校にに入ると「大学受験」
これに新しい学校生活や、
クラブ活動などが入ってくると、
なかなか新しい習い事が入る余地がありません。
最近は、すでに習い事で曜日が埋まっている、
なんてことも珍しくありません。
「いつから」なんて考えていると、
「プログラミングを始める機会がない」
わけです。

ただ、だからといって、
「プログラミングをやらない」
ことも、今のこの時代に至っては
「リスク」と言えるでしょう

子どもさんたちに
プログラミングの授業をしていて
私が感じていることなのですが、
プログラミングやプレゼンテーション、
ITの勉強をしていると、
「学校の勉強に興味を持つ」ことが
非常に多いのです!
自然に座標や計算が出てきますし、
作ったゲームを説明するために、言葉も使います。
理科や社会の知識を使う場面も多々ありますし、
しかもIT技術の用語はほとんど英語です。
その中で、基礎的な計算や漢字に興味を持つのも
自然な流れですね。

学校の勉強への興味が刺激されれば、
子どもたちが学校の授業を受ける姿勢、
宿題をする姿勢が変わります。
結局、子どもさんの学力って、
勉強する内容に
「どれだけ興味を持てるか」
だと思うのです。

それに自信がつきますね!
当塾では自分のゲームを「作品」として
作りますので、
それを「作り上げた!」ということが、
大きな自信になります。
また、大人の方がそのゲームを見ると、
まず「すごい!!」とほめてくださいます。
プログラミングのことをご存じない方は、
本当にかなり驚かれますね。
こうした子どもたちは、どんどん
自己肯定感を身につけていくことになります。

そしてさらに!
現在、ITを用いた学校の勉強のための
「電子教材」もどんどん出てきています。
そもそも、IT「で」勉強する、
時代になってきているわけです。
プログラミングやITに
慣れ親しんでいれば、
学校の勉強も含め、
いろいろな分野の勉強が、
ITを活用して「加速」できることに
なるでしょう。
研究・開発の分野だって、
医療や遺伝子をはじめ、様々な産業が
ITの導入で、飛躍的な進歩を
遂げていますからね。

ここで、面白い例として
「将棋」を出してみましょう。
数年前まで、
将棋のプロ棋士の世界は、
「人間とAIは共存できるか」の
最前線とも、見られていました。
「将棋の強さこそが存在価値」
と言われるプロ棋士が、
コンピュータ将棋に超えられてしまったら、
「誰がプロ棋士の将棋を見るのか?」
「プロ棋士という職業はなるなるのでは?」
という見方も、かなり有力だったのです。

そしてその時はきました。
昨年、2017年の春、
名人でもある佐藤天彦叡王が、
前年の将棋ソフトトーナメント優勝のPonanazaに
2戦して、連敗したのです。
第2戦目は、姫路城での対局だったので、
取材を兼ねて、現地の大盤解説へ行ってきました。
完膚なきまでに、佐藤名人が
叩きのめされていました。
私は、人工知能の専門家として、
客観的な将棋ソフトの力や伸びは
理解していましたが、
将棋もアマ初段で、プロ棋士の強さも
よーく知っているだけに、衝撃を受けつつ、
「完全に将棋ソフトが人間を上回った」
と実感しました。

そうして「プロ棋士」という職業が
どうなったかというと…。
そののち、皆さんご存知の通り、
藤井四段の連勝記録と、
羽生竜王の永世7冠達成
アーンド国民栄誉賞受賞決定で、
逆に空前絶後の将棋ブームに。
「プロ棋士という職業がなくなるのでは?」
という心配は、現在は忘れられているかの
様子です。

そして、この藤井四段の連勝記録と、
羽生竜王の永世7冠達成も、実はAIと
無関係ではありません。
現在のプロ棋士の戦いでは、
コンピュータソフトによる研究が欠かせません。
ソフトを活用した新しい戦型を駆使する
若手棋士の台頭が目覚ましく、
20代の若手が次々とベテラン棋士を破り、
世代交代の模様を呈しています。
藤井四段のたぐいまれなる実力の中で、
特に序盤・中盤の力が磨かれたのも、
ソフトを使った研究の成果だとする
見方が多いようです。
羽生竜王も、ソフトの研究をなさっています。
藤井四段も羽生竜王も、ともに指し手の中に、
ソフト特有の指し筋が散見されますね。
もはや、この流れに乗り遅れ、
ソフト(=AI)を活用しないプロ棋士は、
勝ちづらい状況が生まれています。

昔は、プロ棋士の先生に教えていただかないと、
強い方と対戦できませんでした。
ところが今は、フリーで
インターネットに公開されている
将棋ソフトが、プロ棋士よりも強いのです。
だれでも、お手本にできるくらいの
人類より十分に強いソフトを、
勉強に活用できるのです!

藤井四段も、伸び盛りの10代で、
ソフトを使った勉強を取り入れているので、
この後も更なる飛躍が期待できるように感じます。
こうした勉強・研究法が開発されてきた今、
将来の藤井四段のライバルは、
同様の、もしくはさらに改良された勉強を取り入れた、
後輩の子どもたちであるように思えてなりません。

プロ棋士の方は、研究をするのに
プログラミングまでは必要としませんが、
AIが勉強法に強い影響を及ぼすという
典型定期な一例ではないでしょうか?
加えて、ニコニコ動画やAbemaTVといった、
新しいインターネット動画の配信サービスが、
将棋人気を支えている大きな要因の1つに
なっているというのも、
また象徴的なように感じます。

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ITの世界では「分からないならやってみる」

こうした事情を踏まえると、
「何歳からプログラミングを勉強させればよいか?」
「いつからプログラミングをはじめるのか?」
の問いに対しては、
「何歳からとははっきり言えないが、
小学校(初等教育)を目安として、
ある程度の年齢で始めている方が
IT分野や、それ以外の分野でも、
プラスの効果が大きい」
くらいは言えるのではないでしょうか?

近年、「成功事例が出てから踏み出す」
という石橋をたたく日本流のビジネスが
世界では、完全に失敗しています。
スピード感で、まったく追いつかないわけですね。
ITの最前線、シリコンバレーでも、
日本企業の判断力の遅さが、
致命的な弱点になっています。

ITの世界では、
「成功する可能性がそこそこあるならやってみる」
ことが、成功の秘訣と言われます。
そこで成功の可能性が上がるまで待っていると、
実際にやって成功した会社が
引き離してしまうわけですね。
「いつから?」と問うていること自体が、
問題のようにも感じます。

別にプログラミングの勉強は、
「プログラマーになるためのもの」
ではありません。
世界では、何かの専門分野とITの勉強を
両方するのが一般的です。
昔は「読み、書き、そろばん」でしたが、
今は、正にそれが「読み、書き、IT」
と言えるでしょう。
ITが、生活も、勉強も、仕事も、家庭も、
すべてをサポートする時代になってきています。
いやもう、なってしまっています。

子どもさんがプログラミングを学ぶ
きっかけができたとき、
そこから進むかどうかは、
お母様、お父様方のご判断です。
これからのIT時代を生きる子どもさん方が、
「分からないならやってみる」習慣を
身につけるために、
「いつから」と臆するのではなく、
まずは、お母様、お父様方が
「分からないならやってみる」。
その「模範を見せる」ことが問われている、
とも言えるのではないでしょうか?

我々も、新しい技術や学習法が
山のように生まれている現在、
いろいろ新しいものを試し、
取り入れていくことが求められています。
既存の手法に甘んじず、
自らを磨いていく範を示すことが、
我々教師としての存在理由だと考え、
実践していきます。

フランスの人文学者 ラブレーは、
「機会(チャンス)は
前頭(まえがしら)だけに
髪毛(かみのけ)があり、
後頭(うしろあたま)ははげている。
もしこれに出あったら前髪を捕らえよ。
一度にがしたら、
神様でもこれを捕らえることは出来ぬ」
と風刺を利かせて述べました。

プログラミングやITという
「髪毛(かみのけ)」を
捕まえてみませんか?

書き残し部分を以下の投稿で追記しました。
続!「何歳から子どもにプログラミングを勉強させればよいか」(1) 5教科編
続!「何歳から子どもにプログラミングを勉強させればよいか」(2) 小学校高学年編
続!「何歳から子どもにプログラミングを勉強させればよいか」(3) 幼稚園児編(完結編)

 

大阪西区・京都桂川の、小学生から始める
大阪大学 博士が教えるプログラミング教室「ITえき塾」
教育とIT、ともに本物だから おもしろい!

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