スクラッチを使ってシューティングゲームを作っている男の子

大阪市西区・肥後橋のプログラミング教室
ITえき塾 塾長の一階(いっかい)です。

以前に、こちらのブログでも書いた、
「子どもがゲームばかりして…」とお困りのお母様へ
の続編です。

やはり「子どもとゲーム」というのは、
お母様にとって大きな悩みの種の1つのようです。
「いつからゲームをさせてよいものか?」
「いつからスマートフォンを触らせるのか?」
(↑買い与えるのではなく、貸し与えて~、
という意味でです)
というご相談も、良くあります。
先日の講演会後にも、
こうしたご相談を受けました。

プログラミング教室の塾長としましては、
「ゲームをする」というのは
直接プログラミング教室とは関係ありません。
でも、ゲームを含め、
「ITの世界と適切に付き合っていく」
のは大切なことだ、
という観点からお答えしています。

子どもさんにスマートフォンを貸し与えて、
ゲームをさせたり、動画をさせたり。
ゲームも動画も、できることなら
子どもさんから遠ざけておきたい!
と思いながらも、その間は
子どもさんが手を離れるので、ついつい…。
といったお話も耳にすることがしばしば。
お母様の子育ては、本当に休む暇なく!
という大仕事なので、ご苦労お察しいたします。

ただ、「子どもがゲームばかりして…」とお困りのお母様へ
の中でも書いた通り、
「我慢できるところまでは我慢して、
ひとたび、させはじめたら野放図状態」
は避けたいところです。

いまさらですが、ゲームってなに?

まずは、「ゲーム」の現状についての
予備知識を押さえておきましょう。
ゲームと言えば、もちろん遊びの一環なのですが、
もう「子どもの遊び」では済まない状態です。
(デジタル)ゲーム業界は、
2016年時点で、世界の市場規模が約9兆円。
そのうち、日本国内の市場が約1.4兆円という数字です。
日本を代表する自動車で、
国内市場が68兆円という数字ですから、
約50分の1程度ですね。
日本を代表するコンテンツ産業の1つとして、
巨大というほどではないですが、
おろそかにはできない規模ではないでしょうか。

そして「ゲーム」という概念は、
市販されているゲームソフトやアプリにとどまりません。
ゲームの要素・メカニズムを、
教育や集客など、日常のさまざまな課題解決に
取り入れる動きは
いまや「ゲーミフィケーション」と呼ばれ、
重視されるようになっています。
「遊び」ではなく、「仕事」としても
活用されているわけですね。

さて、デジタルゲームは、
一昔前は日本のお家芸でしたが、
もはやいろいろ事情が変わってきてることは
ご存知でしょうか?
例えば、中国の「テンセント」社。
1998年に創業され、
QQという中国のSNSを手掛けるとともに、
QQ上で遊べるたくさんのゲームを提供してきました。
そして、およそ20年たった現在、
電子決済などのインフラにも手を広げ、
テンセント社の時価総額はなんと「55兆円」!
アップル、グーグル、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブック
(最近では、「FAAMG」とも呼ばれているビッグ5ですね)
につぐ、世界第6位なのです!
(2017年12月時点)

日本で時価総額のトップはトヨタ自動車ですが、
世界42位で、21兆円です。
(2017年12月時点)
すでにテンセントに2.5倍以上!
差をつけられています。
テンセントは、この1年間で時価総額を
2倍に引き上げています。
ゲームを含め、IT企業が
世界を大きく動かしていることが
垣間見られます。

だから…

「ゲームが今後必要です。
だからじゃんじゃん、子どもにやらせましょう!」
…なんて言う気は、さらさらありません(^^)
「ゲームは必要なものではないから、
無難に子どもから遠ざけておこう」というのは、
少々極端すぎて時代遅れですよ。
というお話です。

プログラミング教室から見たゲーム

私たちが子どものころは、
「テレビを見てたら~」
「漫画なんて読んでいたら~」
なんてよく言われたものでした。
でも今や、これらを活用するのは当たり前、
その中身や、付き合い方が大切だということは、
保護者の皆様にはご認識いただけていると思います。
デジタルゲームも、それと同じです。

今や、ゲームを遊びのみにとどまらせていてはもったいなく、
ゲームを、現実社会の(もしくはデジタル社会の中の)
様々な問題解決に結び付け、
積極的に活用していかねばならない時代です。

「ゲームをさせるか、させないか」
という小さい話をするのではなく、
「ゲームを含め、
いかに必要なものを上手に活用する
という習慣を身につけられるか」。
これこそが、
子どもさんの未来をより明るいものにする
ポイントではないでしょうか。

「受動的に、ゲームに時間を吸い取られる子どもになる」
のではなく、
「主体的に、いろんな経験を創造的に活用する子どもに!」
ですね。

「プログラミング教室」というと、
ただ「プログラムを書く(組む)」という
イメージの方が多いと思うのですが、
むしろ、プログラミングを通じて、
こうした向き合い方だったり、
習慣だったりを
子どもさんに教えることこそ、
大きな役割ではないかと考えています。
ただ、プログラミングを教えるだけなら、
ITの専門家でない学校の先生でも
できると思いますが、
そこからのIT世界の広がりは、
我々ITの世界の専門家でなければ
できませんから。
そして、同時に教育の専門家でもある
(というかそちらがメインです)
当塾は、プログラミング教室の中でも
習慣の教育的大切さを伝えることが、
大きく問われていると、
日々感じております。

「良いゲームの習慣」とは

当塾での塾生さんの例を見ていても、
一番大切なことは、
ルール、特に時間を決めること。
オーソドックスですが、
それ故に、やはり大切なことです。
逆に、避けたいことは、野放しに、エンドレスで、触らせること。
これは、ゲームに限らず、動画やコミック、本でも同じですよね。

気をつけるべき点は

  • 子どもさんと話し合ってルールを決めること
  • 守らなかった時の罰則も、同意のうえ決めておくこと
  • そのルールは、お母さんも含めて、実行すること

の3つです。

ゲームの時間も1回に30分~1時間程度から
スタートするのが良いでしょう。
「アプリをインストールするのはお母さんだけ」
なども良いですね。
ルールを決めることも、
ルールを運用する際にも、
話をする場を持つことはとても大切です。
経験上、子どもさんは罰則を決めることも嫌がりません。
なんてったって、ゲームが遊べる!わけですからね♪
そしてその罰則は、
「ゲームを(一定期間)遊べなくする」
がお勧めです。

しかし、一番難しいのが「守らせること」。
ここでご苦労されるケースが多いように見受けられます。
でも、怒ったり、叱ったりするより、
ただ、罰則をさらりと適用してあげるのがお勧めです。
事務的に、大げさにせず、さっと笑顔で
スマートフォンを取り上げるだけで。
厳しい言葉も必要ありません。
それだけで十分子どもさんには厳しい罰ですし、
意味も伝わります。
そして、だんだん学習していきます。

これが「ずっとゲーム禁止」という罰則だと、
子どもさんの反撃も強固なものになります。
3日間程度といった、
我慢できそうなさじ加減がミソです。
「ふーんだ、ゲームなんて
もうやりたくなかったもんね~」
なんて強がりの1つを言う光景もご想像できるのでは?
時間やルールを守らなければ、
結局それ以上に遊べなくなる、という
分かりやすい構図を作ることが大切です。
それが、「辛抱ができる子」を育てる秘訣でもあります。

ただ、罰則を与える前に、
時間的猶予は与えてあげてください。
あと「5分」というように。
お勧めは、与えるスマートフォンに
アラームをセットしておくことです。
終了時刻と、5分前、終了5分後の3つを
設定しておきます。

  • 終了5分前:注意
  • 終了時刻:片づけ
  • 終了5分後:罰則適用

といった合図にするわけですね。
最初はお母様がアラームを設定して、
次からはやり方を楽しく教えてあげてください。
それ以降は、子どもさんが自分で
(少なくとも初めは)嬉々として
アラームを設定するでしょう。
それをお母様が確認してあげてください。

これも「ゲーミフィケーション」の一種ですね。
ゲームをする約束を守ること自体も、
ゲーム要素を入れて、
ワクワクときどき、挑ませてあげてください。

逆に、ついついお母様が忘れていたり、
「もうちょっと手がかからない状態の方が助かる…」
など、
お母様ご自身が、約束したルールを
「緩める」「破る」という展開は、
何としても避けたいところ。
そうなりがちなほど、お母様はお忙しいものなのですが、
ここは分かれ道です。
スマートフォンが子守りをする状態になるのは避けたい、
という理想論もありますが、
それより、子どもさんが
「お母さんが都合よくルールを破っている」
と感じるのが最悪です。
こういうところ、
子どもさんは本当に良く見ていますものね。
「お母さんの信頼が落ちる」
ばかりか、
「ルールは守らなくてもよい」
という最悪の習慣が
子どもさんに「うつって」いってしまいます。
これが常態化してしまうと、
なかなか治すのがたいへんになるでしょう。

学力も、健康も、幸せも、すべて習慣しだいです!
これは20年以上の教師経験から確信しています。
悪い習慣をただし、
良い習慣を身につける。

中には
「ゲームをさせないことで、
ゲームを止めさせることに
心労と時間を使わなくて済む」
というお母様のご意見も
見聞きすることがありますが、
これは本末転倒だと感じます。

ゲームを家でさせてなくても、
外や友達のお家でゲームに打ち込む、
というのも「あるある」話ですよね。
なんか、私も身に覚えがあるような…(苦笑)。
ゲームをしないで育った方でも、成長して、
あまりゲームをされない方もいらっしゃれば、
その反動でゲーム三昧という方も
いらっしゃいます。
結局はベースとなる習慣次第ですよね。

「ゲーム」を一つの良い題材ととらえて、
良いルールを相談して作って、
それを守る習慣を一緒に育む。
それをゲーミフィケーションを駆使して
前向きに子どもさんと挑む。
それも、悩んだり、一緒に考えたりしながら。
こうしたお母様のご姿勢が、
子どもさんにとって、何よりのお手本になる。
そして自然にしみこんでいく。
私はそう考えていますが、いかがでしょうか?

ゲームだけではなく、
動画も共通点が多いのですが、
動画ならではの特徴もあるので、
こちらはまた機会を改めて書きます。
「子どもさんが動画ばかり見て…」とお悩みのお母様へに書きました【2018年2月7日】)

お母様と子どもさんが、
ともに良い習慣を育まれますように♪

私も、当塾も、
教育とITの専門家である
プログラミング教室として、
その1つの道しるべとなれるよう、
前向きに挑んでまいります。

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