プログラミング風景大阪市西区・肥後橋のプログラミング教室
ITえき塾 塾長の一階(いっかい)です。

「プログラミングって、どうして必要になったんですか?」
という問いへのお答えの続きです。

前回で「プログラミング教育」を子どものころから行う目的は、
大きく以下の2つだと紹介しました。

  1. 「プログラミング教育」が、
    「考える力・人とかかわる力」
    を育むために適している教材だから。
  2. 「プログラミング教育」をきっかけとして、
    IT技術に興味を持ち、
    必要な知識や考え方、感覚を養っていくため。

いずれも、これからの超IT化社会、人工知能社会を
生き抜くために必要な力です。
1.は前回(【前編】)にお話したので、
今回は、2について詳しく書きます。

プログラミングを学ぶ、といっても、
それはプログラマーになるためにではありません。
プログラムは、コンピュータを動かすための
大切な技術の1つですが、
他にも、ネットワークやデザインなど、
たくさんの技術があります。
プログラミングを第一歩として、
そこから先のITの世界に興味を持ち、
なじんでいく必要があるのです。

なぜその必要があるのか?
これには、現在の世界の状況が深く関係しています。
少し長くなりますが、お付き合いくださいませ。

現在、世界は第4次産業革命に突入したと言われています。
「情報革命(第3次産業革命)」と言われ始めたのが20世紀半ば。
つい先日のようにも感じますが(年のせい?)、
もはや世界は次のステージに入っているのです!

第4次産業革命の主役は、
人工知能(AI)やロボット技術、IOTなどです。
それぞれの技術の内容については、
またこのコラムで詳しく触れていきますね。

特にここ数年の進歩が目覚ましいです。
皆さんの周りでも、
車の自動運転や、音声アシスタント、
自動翻訳、市販のロボットなど、
日常の暮らしの周りにまで、
近づいてきているのが感じられるのではないでしょうか?
他にも、ドローン、3Dプリンター、
仮想現実(VR)/拡張現実(AR)、フィンテックなどなど、

このことは、日本政府も認めています。
内閣府発表の「日本経済2016-2017」では
第4次産業革命について、その対応も含め、検討がなされています。
経済産業省の「第4次産業革命【60秒解説】」でも
分かりやすく紹介されていますね。

日本の2017年の未来投資戦略(概要はこちら)では、

  • トラックの隊列走行の実現(2020年に高速道路で、2022年に商業化を)
  • ドローンによる荷物配送
  • AIを持ちいた医師の診療の的確な支援

などが目指されています。

「そんなん、できるの?!」
とお思いの方もいらっしゃるでしょう。
しかしながら、日本は遅れている方なのです。残念ながら。
世界ではオランダやスイスではすでに
お客さんを乗せた自動走行のバスが行動を走っていますし、
スウェーデンや中国を始め、電子決済が普及して
現金を持ち歩かない国が増えてきています。
世界はどんどんIT化、AI化の波が押し寄せているのです。
新興国ほど、潤うにはITやAIが近道ですから、
高度経済成長期の日本よろしく、
どんどん力を入れていたりもします。
2020年東京オリンピックに向けて、日本も世界に追い付く
ITやAIの活用をしていくことが迫られているわけですね。

「そこまでしてITを取り入れなくて、いいやん!!」
ええ、僕もそう思います(^^)
道具が、ITが「幸せを作ってくれる」
わけではありませんから。
ITがあるから振り回されることも多々あるわけですしね。
インターネットから離れて、
山奥で自給自足で暮らしていくことは、
それはそれで素晴らしいことと(心底)思います。
ただ、産業として世界に輸出したり、
海外から日本にITのサービスや商品が入ってくる中で、
ある程度日本が経済的に潤うには、
世界の進歩についていかなければならないわけです。
実際、AmazonやGoogle、Appleのサービス・商品は
どんどん日本に入ってきています。
それ無しで暮らせるでしょうか?

「今ちょっと進んでいるだけで、直におさまるでしょ」
そうだと良いのですが、
残念ながらそうはならなさそうな情勢です。
AIの中の一技術「ディープラーニング」が
成し遂げた成果が大きく、
これまで実用しづらかった分野でどんどん発展が見られます。
しかもコンピュータの速度が速くなり続けているので、
ディープラーニング以外でも、AIの進展が目覚ましいのです。
「2045年にシンギュラリティが起こり、
人間の脳の限界を、人間と機械が協調して、超越する」
(これは「AIが人間を超える」と誤解されていることが多いので、
これもまたコラムで触れます)
とR.カーツワイル博士が述べていますが、
それも「ありえるかも…」と考えされられます。
実際、仕事がら、僕はAI関連のニュース・情報を
日々集めていますが、
もうここ最近は数が多すぎて、
まったくフォローしきれない状態です。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、
子どもたちが将来生きるのは、こんな時代の延長線上です。
僕にも今6歳の娘がいます。
情報関係の専門家として、
「何を子どもに残してあげればいいんだろう?」
と考えさせられます。
ITの世界は「変わる世界」。
新技術が出てくれば、既存の技術が使い物にならないことが
普通に起こります。
今使っているソフトやアプリも、
日々バージョンアップして、使い方が変わります。

専門学校に勤務していたころ、
企業の方に「3年後に必要な人材像は分からない」
と言われたこともあります。
「子どもたちの65%は、
今は存在していない職業に就く」
とも言われています。
考えてみれば、僕たち親の世代でも
似たようなものなのかもしれません。
ウェブデザイナーやユーチューバーなんて
職業は、思いつきすらしなかったですからね。
しかも仕事では、メール、Word/Excelあたりは、
誰もが普通に使えることを求められたりもします。
もはや「読み、書き、IT」ですね。

例えば今、小学校1年生(7歳)の子どもが、
シンギュラリティの2045年を迎えるのは、
28年後の35歳の時。働き盛りですね。
「仕事がAIやロボットに奪われる」
という見方をするなら、
仕事を奪われないようにするには、
その時代で必要とされる技術や人間性を、
それまでに身につけていなければなりません。

この変わりゆくITの世界に備えて、
子どもたちに伝えるとするなら、
まず一番に伝えることは
「変わり続けていくんだよ」
「変わるのが当たり前なんだよ」
ということではないでしょうか?

子どもは好奇心の塊。
プログラミングやネットワーク、デザインなどに
喜んで食いつきます。
さらに、ドローンや3Dプリンター、ロボット
などの新技術にはなおさらです。
もちろん、プログラミングも含め、
局所的には廃れて使い物にならない部分も
でてくるでしょうが、それも含めて
前向きにチャレンジして体験しつづけていくことが、
一番の大切なことかと。
基礎となる土台を学んだうえで、
子どものころから、変わっていく
IT世界に馴染む環境にいれば、
自然とその流れについていくことができるでしょう。

これは伝統を大切にする日本人には、
少し受け入れがたい面もあるかもしれません。
でも、これらは両立できるものです。
変わるものと変わらないもの、
バランスよく大切にしていくことが、
これからの国際社会で活躍できる日本人を育む
ポイントではないでしょうか。

プログラミング教育を通じて、
子どもたちの未来が明るいものとなりますように。

【前編】はこちら

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